HOME庄司 真苗

top
  • 庄司 真苗

  • SHOUJI MANAE

ーまず初めに自己紹介をお願いします。

高度アパレル専門科の庄司真苗です。出身は北海道の苫小牧です。

ー北海道!遠いですね。ドレメに入るために上京してきたんですか?

そう、高校卒業してからすぐこっちに上京してきました。

talking

ー高アパと同じ4年制で大学もありますが、ドレメにした理由は何ですか?

それはね、まずデザイナーになりたいって中学校の時から思ってたからデザイナーになるためには絶対専門学校じゃなきゃだめなんだ、って思ったの。高アパはサービス科と一緒のプレゼンテーションの授業もあるし、そういう授業も学びたかったんだよね。造形科みたいに作ることに専念じゃなくて、もっと広い視野でファッションの事を勉強したかったから、4年制の高アパにしました。

ー去年ドレメ祭りの実行委員長をやっていたと聞いたのですが、みんなを引っ張っていくことは好きなんですか?

昔から企画みたいなことが好きだったんだ。高校の文化祭で演劇やった時に、監督になったの。その時に、自分で一から作る事が楽しいって思った。指示を受ける側じゃなくて、自分が発信する側で。行事に関しても自分で作り上げたものでみんなが喜んでくれるってことが好きなんだよね。3年生で初めて委員会に入ったんだけど、委員長を決める時、やりたい人いなかったから私がと思ってやることにしたの。だから委員長になったけど友達とかに支えられてた部分は多かったと思う。私はそこまでみんなを引っ張っていたってわけじゃなかったんだけど、私が委員長でよかったって言ってくれた友達や後輩がいたの。委員長っていっても、やっぱり周りの人のサポートがあってこそだと思うのね。私はあんまり、「委員長だから」みたいなのは思ってなくて、普通に楽しいものを作り上げたかっただけ。今年もドレメ祭り実行委員会に入ったの。今年は三役の書記をやりつつ、仮装コンテストの係りをやって大変だったけどすごい達成感があったのね。しかも去年まではミスミスター・逆ミスミスターのコンテストだったんだけど、それが仮装コンテスト状態になってたから、もうコスプレ大会にしちゃおうってことで私と係りのメンバーでガラッと変えちゃったの。昔からの伝統を変えたわけだから大変だったけど、自分で企画したものをみんなが喜んでくれたからすごく楽しかった。

graduation

ー今取り組んでいる卒業制作について教えてください。

海外旅行が好きで旅行先の景色や人から影響を受けることが多いんだけど、今回の卒業制作にはパリに旅行に行った時に見た街並みを思い出して服に取り入れようと思ったの。教会とかの建物の内装がアーチ状で、その曲線を取り入れて、全体的に茶色系で大人っぽい感じにしたいんだ。大変だけど、これが学生生活最後の作品だから、自分の好きな服を作りたいなあって思って。私もともと服を作るのがあんまり得意じゃないんだけど、自分で作った服を自分で着れた時にすごく嬉しくて。卒業したらもうあまり縫わなくなるから、今自分の好きな服を作れるだけ作っておこうって思ったの。

selection

san
3年生の修了制作は、就職活動の時に使うポートフォリオのためにリアルクローズでちょっと落ち着いた、普段着っぽい作品を作った。

ーコンテストで入賞されてましたよね。

去年の全国ファッションデザインコンテストで企業賞の「レナウン賞」を受賞したんだけど、その時の服のインスピレーション源もパリの教会で見たステンドグラスなの。「あ、これ服のデザインにしたい!」と思って。自分の撮った写真を元にコンテストの時のデザイン画を描いたんだ。あの時は本当にコンテストに応募してよかったって思った。でもコンテストで賞を獲ったからすごいってことではないと思うんだ。賞を獲ったからといって何になるわけでもないの。私はレナウン賞の副賞でレナウンのバッグもらって今も使ってるんだけど(笑)。 賞って意外とあっけなくて、審査員の人とかレナウンの人とお話して終わり、って感じ。もしこの賞を獲ったらどこかに留学できます!とか、企業のデザイナーになれます!とかそういうのだったら違うけど私は、コンテストで賞を獲るってことよりもっと大事なものがあると思うし、別に獲ったからといってその人がすごい人っていうわけでもないと思ってるの。コンテストが「すごい」の基準ではないと思ってる。今年のコンテストでは、デザイン画審査に通ったんだけど、私は辞退したんだよね。

ーえ!そうなんですか!?

ちょうどコンテストの時に自分のブランドを立ち上げたばかりで、コンテストよりも自分のブランドに専念したいって思ったの。先生に「やめたいです」っていったら「なんで!?」って言われたけど…。それでも私はコンテストよりも自分のブランドがやりたかった。コンテストやっておけばよかったかなって思うこともあるけど、せっかく始めたブランドを中断するほうが嫌で自分のブランドを選んだから、後悔はしてない。

ykogao

ーブランドについて詳しく教えてください!

「MANAE SHOJI」で3人でやってる。主にネット上で販売してるから、InstagramとかFace bookとかTwitterのアカウントもある。ユニセックスでストリート系のブランドです。きっかけは、染色のシルクスクリーンでTシャツとかバッグに自分の描いた絵をプリントする染色の授業。その時に私はすごくグラマラスな女性の絵を描いて写真をInstagramに載せたの。そしたら男友達が「それ、メンズある?欲しいんだけど。」って言ってくれて、ブランドを作ることにした。

brand

ーすごいですね!!

そう言ってくれたのがすごく嬉しかった。やっぱり自分の趣味がビジネスになるってすごいな、と思って。それですぐメンズのTシャツを買ってきて、そのTシャツに刷ったの。その友達がお客様第一号だったんだけど、すごく喜んでくれたんだよね。その後私の絵をプリントしたバッグを持っていたら、今一緒にブランドやってる東京の友達に「それいいじゃん!「MANAE SHOJI」でブランドやろうよ!」って言われて、私の絵を軸にして始まった。ナイスバディな女性だったからか、男性に結構ウケたのね。絵のデータを工場に送って版を作って、注文してプリントしてもらってる。Tシャツ・パーカーがメインだけど、女の子のはVネックにカットとか、丈を短くしたりのリメイクもしてる。基本的に私が縫うの嫌いだから、切ったりするだけ。私、絵を描くことがすごく好きなのね。だから自分の絵が売れるのが嬉しいんだ。
行きつけの美容室に、たまたま自分が作ったTシャツ着ていったの。そしたら美容師さんが「それいいっすね。」って言ってくれたの。何も言ってないのにだよ。それで、「これ自分で作ったんですよ。」って言ったら「売ってないんですか?」って言って、買ってくれた。その美容師さんは本当に私の作品だけを見て良いって言ってくれたから、これがやりたかったことだ!って嬉しくて。ブランド始めたのが夏休み中で就活終わった後だったの。まだ始めて一年も経ってないんだけど、一緒にブランドやってる二人も服を気に入ってくれて、すごくやりがいがあるって思ってる。
一応オンラインのページも作ったんだけどほとんどFace bookとかで注文してくれる人が多いかな。SNSで友達の友達が見て買ってくれることも結構ある。

dark1sea

ー投稿する写真にも気を使っているんですか?

いつも私が撮ってるんだけど、デジカメで撮った写真をフォトショップで加工して載せてる。商品を着てもらっての撮影にはこだわってて、最初は街中でストリート系っぽくなるように撮影してたんだけど、地元の北海道の海で朝超寒い中撮影したり、明治神宮でも撮影した。撮影もモデルさんがいいと、すごく楽しいんだよね。

ー着る人によって全然雰囲気が違いますね

そうなの!それがこのブランドのいいところで、着る人によってガラリと印象が変わって、エロかわになったり、ストリート系になったり、お姉さん系っぽくも着れるの。もちろん普段着として普通にも着れるよ。

ーサービス科でも授業でブランディングやっているので、夢のようです。

実際ね、そんなに難しいことじゃないの。本当にひょんなきっかけっていうか…。 最初はね、会社に入っていろいろ学んでから20代後半くらいで…って考えてたんだけど、うずうずしてたんだよね。これやる前、知り合いの人のブランドを手伝ってた時に「真苗ちゃんもやればいいのに。独立しちゃいなよ。」って言ってくれたことがあって、それでやる気になったのね。別に会社として申請するわけじゃないし、趣味みたいな感じのほうが楽だし。でも赤字にはならないように気をつけて、ちゃんと利益が出るようには計算してる。ブランドを作ることは簡単だったけど、最初はお金の管理とか、オーダーの取り方の段取りもわからなかったし、お客様に失礼のない対応、とか知らないことばかりで大変だったかな。お金の管理は徹底していて、材料費とかは全部自分の貯金から出しているっていうのもあってなるべくかけたくないから、最近は家に在庫はおかず、受注生産ってかたちにしているよ。まだまだ初心者だからお客様には「対応が遅い。」って思われているかもしれないけど、それをフォローできるくらいのサービスを頑張ってる。必ず手紙入れるようにしたりね。そういう初心と感謝の気持ちは忘れないようにしてるよ。一番大事なのはやっぱりコンセプト。コンセプトは始める前にがっちり決めたの。ユニセックスで、「男女」とか「ニューハーフ」とか関係なく誰でも着れる服を提案する。ブランディングをやる時はなるべく広い視野で物事を見たほうがいいと思う。あんまり限定しすぎちゃうと、頭が硬くなっちゃうっていうか、発想が豊かにならないと思うのね。

fra

ー就職が決まったとお伺いしたのですが。

メンズのブランドのデザイナー職に決まりました。キャラクター物のライセンスをとってる会社なんだけど、そこの会社の人が提案したキャラクターがすごくヒットしたの。だからあたしもキャラクターの服を作って、ヒットしたら良いなあって思ってるんだ。この間、会社の新年会に行ってきたんだけど、メンズのブランドだから男の人が多いけどみんな面白いし、カジュアルでかっこいいし、上司も良い人。すごく良い会社なの。今この会社でたくさん勉強して、さらにパワーアップしてからいずれは「MANAE SHOJI」を会社にしたいんだよね。

ー「企画」の仕事に活かせる授業って何だと思いますか?

サービス科と一緒に受けてたプレゼンテーションかな。私あの授業が一番好きだった。課題は凝りすぎっていわれるくらいに凝ってた。あの授業でプレゼンの力がついて人前で上手く話せるようになったし、就職活動の時の面接でも活きたと思うんだよね。課題でコンセプトとかターゲットも決めなくちゃいけなかったから、就職活動の時に使うポートフォリオを作る時にも役立った。面接の時に自分をプレゼンすることが身についたのもこの授業のおかげかな。デザイナーって技術職ってイメージだと思うけど、実際はコミュニケーションをとることは多くて、会社内はもちろん、生地屋さんと商談したりもあるから技術だけ磨いていればいいってわけではないんだよね。私が就職する会社はデザイナーさんでも自分が企画したものを自分で営業しにいくの。サービス科が習ってることをデザイナーもするって感じなのかな。平絵をパソコンで描くとかね。サービス科の課題を見せてもらった時いいな~って思ったから、こういう授業を高アパでもやりたかったな~って思った。きっとブランディングの授業も会社に入ってから活きると思うよ。

ー私ももうすぐ就職活動が始まるんですが、まだやりたいことが決まっていなくて…

サービス科って幅広いよね。私はデザイナーになりたいってずっと思ってたからコース的にもデザイナー一本って感じにだったけど、販売員からスタートしてバイヤー、VMD、プレス、MDとか幅広い仕事に就けるからそれってすごくいいと思う。実際デザイナーも販売員やらないと、流行だったりお客様が求めているものは何かわからないもん。だから企業によるけど販売員やってからデザイナーっていうところも多いみたい。販売員からレベルアップしていくっていうのが結構多いパターンで、本社に行って視野が広がるってこともあると思うからそういうのを目指すのもいいと思うよ。面接の時は自分の決めた、明確な目標を言えたほうが強い。目標に向かって頑張るっていう意思の見える方が採ってもらいやすいよ。

ーコミュニケーション能力って大事ですよね?

やっぱり大事なのは自分の言いたいことを伝えることが大事。いくらたくさん話したって、中身がなかったら結局この人は何が言いたかったんだろう、ってなると思う。口数が少なくても話を一貫させて伝えるのが一番だから、そこはそんなに気にする必要ないんじゃないかな。それより笑顔!笑ってれば良いから(笑)!笑って素直に受け答えするほうがいいよ。

ー将来どんな人になっていたいですか?

私は学生の今じゃなくて、社会人になってから留学したい。視野が広くなってると思うし、ビジネスっていう観点で物事を見れると思うの。この前一人で行ったイタリアに行って勉強したいって思ってる。海外に住むっていうのが今の大きな目標なんだ。br>
abroad

ー海外で仕事したいっていうのはあるんですか?

できればそれが一番いい。海外の人と結婚したいし(笑)でもそこまでできるかはまだ自分の頭では想像できてなくて… 想像できることは自分の想定範囲内だから絶対できることなんだろうなって思うけど、すぐに思い浮かばないことは今の段階ではまだできないってことだから。でも実現したいと思ってるよ。

ータメになるお話ありがとうございました。いろいろなお話が聞けて楽しかったです!就職活動では先輩のアドバイスを活かして頑張ります!!

last