ーでは、よろしくお願いします。まず最初に相川さんがファッションの道を志した理由やきっかけを教えてください。

相川高校が総合学科で、商業や工業が強い学校でした。なので高校生のときからファッションを勉強していたわけではなかったんですけど、就職する人の割合が多い学校だったので、一年生の頃から進路についても真剣に考えていました。私はもともと絵を描くのがすごい好きだったんですけど、それは趣味でいいなと思いました。じゃあ自分が何をやっていきたいのかと考えたときに私はお洋服が好きだったので、ファッションの道を志しました。

ーたくさんの服飾専門学校の中からドレメを選んだ理由を教えてください。

相川まず、他校のオープンキャンパスに参加したんですけど、その時に「私この中じゃ埋もれちゃう」って思いました（笑）。周りの人たちの個性についていけないんじゃないかっていう不安があったわけです。私はこの学校には向いていないなと感じました。それでドレメのオープンキャンパスに参加した時に、ドレメは基礎の基礎から教えてくれると聞きました。私はミシンの糸のかけ方もわからないほど服飾造形に関しては初心者だったので、そこでドレメにしてみようかなと思いました。

ーでは、服飾造形科を卒業してアパレルデザイン科に進学した理由を教えてください。

相川一年生の頃からデザイナーを目指して学んできたんですけど、二年生の時点だと、やっぱりまだ自分の技術が足りないのと、もっとファッションを学びたいと思ったのでアパレルデザイン科に進学しました。

ーアパレルデザイン科って具体的にはどのようなことを勉強するのですか？その魅力を含めて教えてください。

相川最初の頃の授業は、クリエイティブデザインといって、コンテストのためのデザイン画を描いていました。就職活動が重なってくると、それに合わせて企業へ持っていけるような作品やブックを作ったりなどをフリーダムな感じでやっていました。クラスの雰囲気としては凄く仲が良いですよ。

ー今回が二度目の卒業制作となるわけですが、今回去年と比べて心境の変化などはありますか？

相川去年と比べて、三年生になると作る数も自由だし、とにかく何でもやっていいといわれているのでそこがまず大きな変化です。二年生のときと比べると自分の技術は上っていると思うんですけど、まだまだ自分の表現したいことと、やりたいことがやりきれない感じはあります。

ーなるほど。では、相川さんのファッションに対する考え方を伺いたいのですが、まず相川さんの好きなファッションのブランドやテイストなどがあれば教えてください。

相川シンプルでも色彩が綺麗であったりとか、変わった素材を使っているものには目を惹かれますね。雑誌で言うと「ＧＩＮＺＡ」をよく読むんですけど、雑誌の年齢層が少し高いので、着ているお洋服の値段も高いんですけど、大前提として品質のいいものを着るっていうのが凄くいいなって思います。ブランドは「G.V.G.V」「ANREALAGE」「Paul Smith」「MARC JACOBS」などが好きです。

ー好きなブランドが４つでてきましたが、中でも一番好きなブランドはどこですか？またそのブランドに惹かれる理由を教えてください。

相川一番好きだと思えるブランドはやっぱり「MARC JACOBS」ですね。理由は、プリントの一つ一つであったり素材感などで表現されているMARC JACOBS」の世界観が凄く魅力的です。

ー相川さんにとってファッションの魅力とは何ですか？

相川例えば、お気に入りのアイテムを選んだ日っていつまでもハッピーだったりするんですけど、その日一日を楽しくしてくれる要素です。また自分を表現する一つのキーだと思っています。

ーでは、相川さんの趣味は何ですか？

相川割と一人遊びが多いですね（笑）。映画を見に行ったり、絵を描いたり、小説を読んだり、散歩したりするのが好きです。

ー もともと絵を描くのが好きで、現在もデザインの勉強をされているということで、週にデザイン画ってどれくらい描いたりしますか？

相川それは学校の課題であったり、企業に持っていくブックによって変わることもあるんですけど、前半の授業では一週間に12枚くらい描いてました。

ー一週間に12枚と聞くだけで大変そうですが、実際にはどうでしたか？

相川結構きつかったですね。描くこと自体はきつくなかったんですけど、デザインのアイディアを出すのが大変でした。そういうときにはやらずに違うことをして気分転換をしてから描き直すようにはしていました。

ー小説を読むのが趣味とのことでしたが、おすすめの作品などがあれば教えてください。

相川たくさんあるんですけど、中でもおすすめは「さよならドビュッシー」というミステリー小説です。タイトルにドビュッシーと入っているように、凄く音楽が関連してくる物語なんですけど、作者の書き方が凄く上手いんです。私もそうなんですが、クラシックの知識がない人でもスラスラと読めて、その曲の雰囲気が伝わる本です。特に最後のどんでん返しが凄く好きですね。ミステリー小説は好きなのでよく読むんですけど、この作品は本当におすすめです。

ー私は小説は読まないのですが、今話しを聞いてとても興味が湧きました。ところで将来の夢はなんですか？

相川将来はデザイナーになりたいです。でも、まずは企業で勉強してから将来的には独立して、自分のブランドをやっていけたらなと思っています。

ーではもう少し迫って、ファッション以外の面で、１０年後どんな自分になっていたいですか？

相川なんでも吸収できる人間になりたいですね。不必要な知識はないと思うし、これはなくてもいいということは絶対にないので、いろいろなことを吸収できるようになりたいです。あとはバックパッカーになりたいです（笑）。

ーバックパッカーって何ですか？

相川リュックサック一つで世界中を飛び回っちゃう感じです。期間限定ですけど、ちょっと思い立ったら行きたいなと思っています。

ー今相川さんから新しい知識を吸収しました（笑）。なぜ海外に憧れるのですか？

相川日本にないものがあるからです。例えば、建築でいうと日本だと築十何年とか、人が暮らしている家が結構新しいんですけど、でもヨーロッパだと街が古い建物ばかりで、レンガだったり木造だったりとか、あとは彫刻などが日本にはないものなのでいいなと思います。また、人も理由の一つです。日本人は内気だし謙遜することが一つの美学なので、例えばアメリカ人の、誰でも友達だよー！っていうようなああいったおおっぴらな性格だとか、ヨーロッパ人の芸術に関する視点だとか、そういう人との触れ合いなどを築きたいなと思います。まあ私は純日本人タイプなんですけどね（笑）。

ーでは最後に、これからファッションを学びたいと考えている人たち、またはこのページを見てくださった人たちに向けてメッセージをお願いします。

相川私も三年生になってから意識するようになったんですけど、自分がいいなと思ったものを常に見ることとそれを溜めておくといいと思います。例えば、雑誌を切り抜いてスクラップにするとか、ＳＮＳでもいいので自分の好きなものをピックアップして、それを自分の引き出しに入れられたらいいんじゃないかなと思います。そうやって溜めたものからインスピレーションが湧くと思うので、とにかくいろいろなものを見て、いろいろなことを感じることが大事なんじゃないかと思います。

ー今回はインタビューを受けてくださりありがとうございました。今後の相川さんのご活躍を期待しています。

(interview & text : ファッションサービス科 2年 箕輪 直人)