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  • 渡部 怜莉

  • REIRI WATANABE

短大からドレメに進学したとのことですが、それはなぜか教えてください。

sagyou渡部短大の2年間では、まだ全然学び足りないというのと、それから就職が決まらなかったんです。そもそも、まだ学びたいという気持ちがあって、就職する気になれなくて・・・。就職活動の講義も行ったりはしたけど、まだ実感が湧かなかったんです。お金がないというのもあって、一年だけなら・・・と考え、進学を決めました。

短大とドレメでは、学ぶこと等何か違いはありますか?

渡部全然違うかな。短大の時は服飾の基礎をずっと学んでいたけど、アパレルデザイン科に来てからは、技術を深めるということよりはクリエーション能力を高めること。発想をいろいろなところから持ってきたりとか。

短大では主にどんなことを学んでいましたか?

渡部本当に基礎!製図はこう描きます、とか。私はそれまで服飾を習ったことがなかったので、肩のいせとか何それ、って思ったし・・・(笑)。まず、地直しってなに!!ってレベルだったので(笑)。短大では、そういう所からきっちり教えてもらいました。
短大では、まずデザイン画というものを描かなくて、「どういうデザインがいいの?」となったら、まず教科書を見てそこに載っているものの中から選んで、「このスカートの形だけど、ここにレースを付けたい」とか「ここだけちょっとギャザーを増やしたい」とか、そういうレベルでした。自分でデザイン画を描いて、形を考えて、平絵を描くというのではなかったかなあ。あっ、まず平絵を描いたことがなくて!「えっ?なにそれ!!?」って感じでした(笑)。アパレルデザイン科に来て本当によかったなあ、と思うのは、平絵とデザイン画が描けるようになったこと!

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短大からドレメに入って、辛かった事はありますか?

渡部まず、周りが皆知らない人!私、ドレメの仕組みを全然分かってなくて、3年生に編入するってことは皆何歳なんだろう?って。服飾造形科があって、アパレル技術科があって、そういうのを全然分かってなかったので、全員年上の中に入ってきちゃったのかなと思ってたんですよ。そしたら皆同い年じゃんって気付いて(笑)。それに気付いてからは結構打ち解けられたんですけど。それまでは、5月に行ったオリエンテーション旅行も最初にやる健康診断とかも「あーだるいな・・・」って(笑)。それは凄い辛かった。

勉強の方では、何か辛いことはありましたか?

渡部それはなかったかな。短大と比べてそんなに忙しい訳ではなかったし、最初の方はやっぱり気をつけてバイトも少なめに入れたりしてたし。先生も気を遣ってくれたのかもしれないけど、あんまり提出に追われることはなかったかな。

短大は忙しかったんですか?

渡部忙しかったですね。最初はそうでもなかったんですけど、選択科目でビスチェパニエっていう科目をやりたくて、選択したんですけど、それが大変でした。押し付けられてやるんじゃなくて、自分がやりたい!と思ってやってるから凄く凝った物を念入りに念入りにやっていたら「時間がない!」ってなりました。私あんまり学校に残らないタイプだったので、授業内に終わらせて帰る、バイトのない日はさっさと終わらせて家で寝るみたいな感じだったんですけど、それが出来なくて結構辛かったです。
それと卒制かな?私、卒制で凄い馬鹿でかい黒いドレスを造ったんです。それが最初まず2分の1サイズでトワルを組んで、そのあとに実寸でトワルを組んでっていう工程が凄く辛かったです。私、本布に入ってからが楽しくて凄い早いので、「・・・まだ?」みたいな(笑)。

では、次に将来の夢と、その夢を持つきっかけや理由を教えてください。

渡部私の夢はデザイナーになること。自分のブランドを持ちたいです。アパデザに来るまで、デザイナーになりたいとは考えてなかったんですよ。自分で考えてデザインをするというよりは、縫製をしている方が好きでした。でも、縫製スタッフとはまたなんか違う気がして。私、目立つことが好きなんで(笑)。なんて言うんだろう・・・中心というか、頭に居たいんです。「これ、やって!」みたいな、支持する側にいたいなと思って(笑)。
そう考えたら、縫製スタッフはやっぱりなんか違うと思って、アパデザに来てデザイン画も出来るようになったし、平絵も出来るようになったし、それじゃあ今の自分に向いているのはデザイナーかな、って。
ずっとずーっと頭の隅には、デザイナーもいいかなあ・・・という思いはあったんだけど、「・・・無理じゃね?」みたいに少し諦めてた部分もあって(笑)。アパデザに来て、出来るかもしれないなという気持ちになった。先輩方の話を聞いてると、新卒でもデザイナーになれるんだ!って。販売スタッフをやって、縫製スタッフをやって、それからデザイナー、という道のりで、デザイナーになって自分のブランドを持つのは30歳過ぎかな・・・と思ってたんだけど、今は凄く身近な夢になったな、と思う。
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どういうデザイナーになりたいですか?

渡部私はゴスロリが好きなので、ゴスロリ系のブランドを持ちたいなって考えています。

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シドが好きとの事ですが、どういった所が好きなんですか?

渡部シドを好きになったのは凄く最近なんですけど、「嘘」という曲が大ヒットした時があったじゃないですか。その時に、鋼の錬金術師が好きだったんですよ。アニメが始まって、その第1話目を見れなくて、友達が携帯で撮ったものを、どこかのガストで見せてもらってたんです(笑)。その鋼の錬金術師のエンディングがシドで、エンディングに行く前にシドのCMが入って。その時に声を聴いて「なにこの声!!凄い素敵!!誰これ!!」って言ったら友達が「シドっていう、エンディング歌ってる人だよ」って教えてくれて、そこからYouTubeとかで色々調べて曲を聴きまくって、第2回目の運命が「紫陽花」っていう曲を聴いたときに「あ、もうこの人達に着いて行くしかない」って(笑)。
私、それまで音楽とか全然興味なかったんですよ。皆知っているものも意識して見たことがなくて、アーティストっていうものをあまり知らなかったんです。でも今では音楽の世界に入り込んでます。

では、自分の中で服と音楽で何かリンクする部分はありますか?

渡部シドのステージ衣装を作りたいな、PVで着てる衣装が可愛いな、と思ったのと、ライブに行く時にシドのボーカルがゴスロリ好きという理由から自分がゴスロリを着るようになって、服の道に行きたいなあっと思ったのが始まりかな。だから、全てはシドから始まった(笑)。中心は全部シド。シドから発展していってる。

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では、やっぱり1番好きな曲は「紫陽花」ですか?

渡部はい!「紫陽花」ですね。それで、卒業制作のヘッドドレスに花を付けようと思っていて、3体あるので自分の好きな花を3つ。その中の1つが紫陽花です。紫陽花とダリアとリンドウの3つを付けます。

今ファッションの事について学んでいると思いますが、それ以外で何か打ち込んでいることはありますか?

渡部なんだろうなあ、バイトかな。バイト代で学費や制作費を払っているので週4,5で結構入ってて、このバイト先がもう働き始めて3年になるんですよ。なので今私がバイトの中で1番長くなっちゃってて、店長もずっと入れ替わりで、今も私の同期の人が店長なんですよ。彼氏も居るし、凄く居心地のいいバイト先なんですよ。そこがもう第二の家って感じかな。

バイト先であった嬉しいこととか何かありますか?

渡部バイトから世界が広くなったんですよ。それまでお酒もあまり好きじゃなくて、まずビールが飲めなかったんですよ。なのに、まだ先輩が居た頃、仕事終わりに「今日疲れたね。ビール飲んでいいよ」ってエビスの生ビールを飲ませて貰ったんですよ。仕事で疲れたぁ~ってなっている時に。その時に飲んだ一杯がもう最高で!「私ビール苦手だったのに、なにこれ超美味しい!!」と思って、それからお酒がガーッと好きになって、バイト終わってから夜中に皆で飲みに行こう!みたいなのが増えちゃって(笑)。その頃はよく二日酔いになったりしてました(笑)。最近は無くなったけど。それで、飲みに行った場所で友達が増えたりして。私、あんまり自分から積極的に話すタイプじゃなかったんですよ。話しかけられたら話すっていう感じだったんですけど、やっぱりお酒の力って凄いじゃないですか。だから凄い世界が広がったな、っていうのはありますね。

卒業制作でどういったものを表現したいですか?

渡部自分の世界をガンッと出したいですね。ゴスロリじゃない、なんて言うんだろう。毛皮とか羽とかを使って、凄くゴージャスにしたいなって思ってます。原宿とかで歩いてる、ただのゴスロリじゃないよっていうのを見せたい。世界に通用するんだぜっていう、そういう所を見せて行きたいです。
あと、合皮に蛇の皮のような加工をされたものを使いたいな。そういうものから、自分の世界を見せたいなって思います。

卒業に向けて、何か意気込みとかありますか?

渡部えー!?卒業したくない(笑)!!まず、就職決めなきゃ、っていうのと、うん、卒業したくない。アパデザが凄い楽しい!短大の時も楽しかったけど、クラスの人数が少ないし、仲良い達だけでいるっていうのが楽しいなあ。短大はなんだかんだ50人はいたし、短大全員で仲良いってのはなかったかな。そうそう、短大は先生を交えて、っていうのが無かったのかも。短大の頃は先生と飲んだことが無くて、卒業式の後の謝恩会で初めて飲んだ。ドレメに来てから「え、先生と飲んでいいんだ(笑)」と思いました。短大とドレメではやっぱり先生との距離は違うかな。短大も近い方だとは思うけど、ドレメの方がやっぱり近い。文化祭の時とかも先生がやるよやるよーって言ってくれたり、先生を看板にしたり、そういうのいいなあ、学校だなあって思う。

音楽から強くインスピレーションを受け、今の渡部さんのスタイルが出来上がったと感じさせていただいたインタビューでした。卒業制作楽しみにしています。

(interview & text : ファッションサービス科 2年 只野 史織)